整体で症状が悪くなってしまう要因

整体で症状が悪くなってしまう要因

当院もそうですが、整骨院のホームページにはたくさんの患者さんの声などが載せられていて、整体を行うことによって様々な症状が改善されることが非常に多いです。

ただ、載せられないだけで身近な方で「整体を受けたら最初よりも痛くなった」という声を聞いたことがある方もいるかと思います。

なので今回は、

• 整体ではどのようなことをするのか？
• なぜ悪化することがあるのか？

この2つのことについて、お話していこうと思います。

整体ではどのようなことをするのか？

整骨院や整体院は近年たくさん増えています。

それに伴っていろんな治療方法の名前を見るようもなりました。

筋膜リリース・○○式整体・カイロプラクティック・鍼治療・電気治療・○○体操・○○式ストレッチなど。

このうち多くの治療方法は、筋肉に対して何かしらの刺激を加える方法が多いです。

例えば、筋膜リリースは筋肉をほぐすような刺激で、ストレッチだと筋肉を伸ばすように刺激を行うものになります。

カイロプラクティックに関しては、関節のズレを治していくためボキボキと音が鳴るような施術があったり、先生の施術の方法によっては的確に調整してくれるので安全性も高かったりします。

整体では、筋肉や関節に対して何かしらの刺激を加えることによって、体のバランスを変え腰痛や肩こり、膝の痛みのなどの改善を目指しています。

具体的な施術の方法に関してはその院ごとにやり方が大きく違うのでここで具体的に紹介はできませんが「整体の種類とその効果」というこのホームページ内でまとめた記事が他にありますので、自分に合った整骨院や整体院をもしお探しであればそちらの記事も参考にしてみて下さい。

なぜ症状が悪化することがあるのか？

整体を受けたら症状が逆に悪くなって痛くなったという話はたまに聞きます。

鍼灸治療に関しては、鍼を刺したことで神経を傷つけてしまうことがあったり、背中に深く鍼を刺して気胸というものをを起こしてしまったりとそういう話もごくまれに聞きます。

鍼に関しては明らかに施術者側のミスによっておこる怪我なので原因がはっきりしていますが、筋肉や関節などの施術でどうして施術後に症状が悪化してしまうのか、何が良くなかったのかはっきりとした原因がわからない場合があります。

ただ、患者さんのお身体の状態がどのようになっているのかを考えることで、施術後の症状の悪化は大きく減らすことができます。

では、どのような状態の時に症状が悪化しやすいのか？

大きく2つの理由があると考えています。

理由1 : 筋肉の硬さが体を守っているとき

ぎっくり腰や椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、寝違えなどの患者さんによく見られるのですが、痛めている箇所の筋肉が非常に硬くなっていることがあります。

なので、まずはその硬くなっている筋肉を柔らかくしようとして、その筋肉に刺激を多く入れたりするのですが、この時に「なぜその筋肉が硬くなってしまっているのか？」を考えなければなりません。

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の患者さんは背骨にある椎間板や脊柱に、負担がかかってる事があります。

体としては、それ以上負担をかけないようにガチっと固めて背骨を固定しようとします。

体が背骨を固定する方法は、背骨の周りにある筋肉を硬くすることです。そうすることで、椎間板や脊柱に負担をかけないようにしています。

そうして体が筋肉を硬くして体を守ろうとしているときに、筋肉が硬くなっていて発痛物質などが出てしまうため痛みが出やすいですが、そこを無理に柔らかくしようとして鍼や強いマッサージなどの施術をしてしまうと、施術を受けた直後は筋肉が柔らかくなるので痛みは軽減しますが、体は守ろうと働くのでさらに強く急激に筋肉を硬くします。

その結果、施術を受ける前よりさらに痛みが悪化してしまいます。

ですので、急性期（痛めてすぐ）の時は仮に腰が痛くても、腰以外の部分に施術を行い痛みがある部分はほとんど触らない。くらいで治療していくのが良いと考えます。

理由2 : 整体の刺激が強すぎるとき

刺激の強さは患者さんによって感度の違いがあるのはそうなのですが、同じ患者さんの体でも部位によって刺激に対する感度は変わります。

腰や足は強い刺激を入れても大丈夫なのに、肩だけは刺激に弱く痛みが出てしまう方もおられます。

患者さんによっては適刺激と言われる刺激の強さの判断が困難な場合もあります。

大切なのは1回目の施術の際に患者さんとコミュニケーションをしっかりと取り、治療する場所ごとに細かく刺激量を聞きながら施術を行っていく必要があります。

これを行うことで100%予防できるというわけではないですが、限りなくリスクを避けることが可能になります。

硬いだけの場合や、筋肉の張りが強いだけの場合であれば痛みが出ることは少ないですが、硬さも張りも強い状態の筋肉を刺激するとその筋肉の血流量が急激に変化したり、そもそも筋繊維を破壊してしまいます。

それらにより施術後に体がだるくなったりという反応が起きてしまいます。

ただ、このような場合、筋肉の状態がしっかりと改善されていれば3回4回と続くことはないのでご安心して頂ければと思います。